宅建を独学で勉強しようにも、参考書が多すぎてどのテキスト本を選べばいいのか迷ってしまいますよね。
Amazonのレビューはステマ(偽装レビュー)も混ざっているので、目安にはなりますが確かな判断ができません。
なので、実際にジュンク堂に足を運び、売れ筋として並べられている数多くの宅建テキスト本の中身を開き、文字のフォントや行間、イラストや図表、解説具合などをこの目でしっかりと確かめてきました。
今回は、実際に手に取って中身を確認してみて「コレだ!」というテキスト本を見つけたので紹介したいと思います。
先におすすめの結論を伝えておくと、『どこでも学ぶ 宅建士基本テキスト2019年版』がダントツで読みやすくてわかりやすいです。
どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト (日建学院宅建士一発合格! シリーズ)
宅建本選び方の基準
ジュンク堂にやってきました。
今回、どんなテキスト本を選ぶべきかということで、個人的主観で下記のような設定を決めました。
- 売れ筋として陳列しているか
- 同じ例題に絞って読んでみる
- 文字・フォントは堅すぎないか
- 文字間・行間は適宜空いているか
- イラストや図表は程よく使われているか
- 解説はわかりやすいか
- 単色か、フルカラーか
- 色使いにストレスは感じないか
このあたりに注意しながら内容を確認していきました。
以下詳細です↓
1.売れ筋として陳列しているか
まず1番大事な部分です。
その参考書が「売れ筋」として陳列されているかどうかを見ます。
書店の陳列法には商品が売れやすいように決められたルールがあって、今現在よく売れているものは、商品が目立つように『面出し(面陳列)』がされていたり、『平積み』になっていたりします。
気をつけるべきところは、「売れ筋」として面出しされている商品でも、販売者(社)側が自ら大量購入をして売れ筋にあげてもらっている場合もあります。
なので、売れ筋として目の前に並んでいるものであっても、その商品が必ずしも良いものとは限りません。「こういう本もあるんだな」というように、一つの目安としてみておくほうが良いです。
2.同じ例題に絞って読んでみる
いくつものテキスト本から、この本は『賃貸借(ちんたいしゃく)』を読んでみようとか、この本は『宅建業法(たっけんぎょうほう)』について読んでみようとか、この本は『税・その他』について読んでみようとか、例題を定めずバラバラに読んでしまうと、それぞれの解説の具合が比べにくくなってしまいます。
そこで、今回はすべてのテキスト本において、『抵当権(ていとうけん)』のみに絞って読んでみることにしました。
このように一つの例題に絞ることで、それぞれのテキスト本がその例題に対してどのように解説しているのか、その違いを明確に見比べることができます。
また、一つの例題でわかりやすく解説できているということは、ほかの項目においても同様にわかりやすく解説されているということにも繋がります。
3.文字・フォントは堅すぎないか
宅建本は法律関係や専門用語の解説など覚えることが多く、その分ページ数もかなりのものです。
そこで大事になってくるのが文字の読みやすさ。
国語辞典のような堅いフォントばかりで読んでいると、地味にストレスを感じてしまいます。
例えを下記に示すと、同じ文章でも見え方が違いますよね?
「宅地建物取引業(宅建業)」を行うには免許が必要です。では、”宅建業”と”不動産業”はどこが違うのでしょうか。
【メイリオ】
「宅地建物取引業(宅建業)」を行うには免許が必要です。では、”宅建業”と”不動産業”はどこが違うのでしょうか。
このように、明朝体とメイリオ体で見え方の違いは明確です。
明朝体は堅く、メイリオ体は丸みがあって柔らかい印象ですよね。
長く読み続けるとしたら読みやすいのはどちらでしょうか?僕だったらメイリオのほうが読みやすいと感じます。
4.文字間・行間は適宜空いているか
フォントと同じぐらい大事なのがこちらの文字間(もじかん)と行間(ぎょうかん)の空き具合です。
文字間とは、文字と文字の間のスペースのことを指します↓
-
宅地建物取引業とは
- 宅地建物取引業とは
-
宅地建物取引業とは
行間とは、文字の行と行の間のスペースのことを指します↓
この違いがあるだけで読みやすさにはだいぶ差が出てきます。
狭すぎず広すぎず、丁度良い間隔で書かれているものを選ぶと良いです。
5.イラストや図表は程よく使われているか
文章だけでズラズラと書かれたものよりも、イラストや図表を使って丁寧に解説してくれてるほうがわかりやすいですよね。
また、どうしても文章だけでは理解しにくい場面なども出てきますで、そういった意味でもイラストや図表をふんだんに盛り込んでくれてるほうがイメージがしやすく記憶の定着にもつながります。
6.解説はわかりやすいか
本によっては言い回しや表現が様々です。
難しく説明されていないか、例えが独特すぎないか、勉強する側の立場になって書かれているかなど。
軽く読んでみて「んっ?これは何が言いたいんだろう?」と感じたり、流し読みしてみて「なんか違和感を感じる」など、ひっかかるところがないかを確かめます。
7.単色か、フルカラーか
先ほどもお伝えしたとおり、宅建本は覚えることが膨大です。
数百時間かけて読みこみ、さらに3周・5周と繰り返し読み直すことになります。
そのような長時間黙読の際は、単色すぎると『飽き』が来てしまいます。なので、なるべくフルカラーを選ぶようにして少しでも『飽きる』というストレスを軽減させるようにしましょう。
8.色使いにストレスは感じないか
色の使い方についても大事なところです。
人は色によって気分や行動に変化が起こります。
例えば間接照明のように暖かみのあるオレンジ色の光は、穏やかで落ち着いた気持ちになりますし、茶色は堅実さや信頼感を与え、緑には癒やし効果や『幸福感』を感じさせる効果があると言われています。
茶色と緑の看板がシンボルの『スターバックス』に長居がしたくなるのは、このようなカラー効果が潜在的に寄与しているからでしょう。
このように、宅建のテキスト本にもこのカラー効果は関係していて、色の組み合わせによっては読んでて不快な気持ちになってくるものもあるので注意が必要です。
長時間にわたって読み直す参考書になりますので、できるだけストレスを感じない、読んでて飽きにくい、楽しみながら読めるものを選ぶようにしましょう。
以上、上述した選考基準において、下記にておすすめ本を紹介していきます!
どこでも学ぶ宅建士基本テキスト 2019年版
はい。
早速ですが1番のお勧めを紹介します。それがこちら、日建学院の
文字フォント、文字間、行間が読みやすい!
使われているフォントがメイリオに似ていて、丸みがあって柔らかく、文字間や行間もちょうど良い!
目次もページを開いてはじめのほうにあるので使いやすいし、同じような柔らかいフォントで見やすい。項目別に赤文字で強調しているので勉強したいページが探しやすい!
イラストや図表もしっかり盛り込まれている!
先生のような猫キャラがいて、要点やチェックポイントなどをわかりやすく解説。
イラストや図表も見やすくてわかりやすい!また、ページの端のほうには『注意するところ』などの説明もなされてて見落としがちな情報もキャッチできる。
用語の解説がわかりやすい!
文字が多めのページでも、難しい漢字には細かく振りがながふられてたり、ページの端には『用語解説』などを設けて丁寧に説明してくれている。
大事なところは赤色で強調されていたりと、視覚的に大事なポイントがひと目でわかるようになっています。
フルカラーではない・・けども!
残念ながらフルカラーではなかったのですが、それをカバーできるぐらいのわかりやすい文章(中学生でも理解できそうなぐらい丁寧に書かれている)と、イラストや図解、細かい解説が施されていて、さらに先生を演じる猫キャラの設定が良い!かわいくて親しみが湧く!
そして極めつけ後押しが、本の後ろに記載されている宅建合格者人数の明記!
なんと100,000人超えです。
ほかの宅建テキスト本でも探してみたんですけど、この合格者数を明記しているのは『どこでも学ぶ宅建基本テキスト』のみでした。
数字は嘘をつきませんし、合格者人数がこれだけいるということは、かなり信頼度が高い一冊と言えます。
これぞ言うことなしのお勧めの本です。
どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト (日建学院宅建士一発合格! シリーズ)
わかって合格(うか)る宅建士 基本テキスト2019年版
続いての紹介はこちら。TAC出版の
文字フォント、文字間、行間について
文字フォントはメイリオ体とは違ってちょっと堅めです。どちらかと言うと明朝体寄りかな。
文字間や行間は先ほどの『どこでも学ぶ宅建士基本テキスト』と同じような間隔なので問題なさそうですね。
イラストや図表について
イラストや図表もしっかり盛り込まれています。
先ほどの『どこでも学ぶ宅建士テキスト』と違って、ページの端に細かい解説などはありませんが、ページ全体を使って大きく見やすように書かれていますね。
フルカラーなので飽きにくい
出題される具体例を例題のはじめに紹介したり、大事なポイントは赤枠で囲ったりと、読者に理解してもらいやすいように配色しているように感じられます。
ちょっと文字が多めのページもありますが、フルカラーの利点をうまく取り入れて、様々な色使いで読者が飽きにくいように書かれています。
先ほど紹介した『どこでも学ぶ宅建士基本テキスト』にはない解説例なども書かれているので、いろんな角度から法律用語を捉えるためにサブで揃えるのにお勧めの一冊!
みんなが欲しかった!宅建士の教科書2019年版
こちらもTAC出版が出しているテキスト本。
フォントや文字間、行間など
ぱっと見たかんじだと、こちらも明朝体に近い堅いフォントになっています。
ただ、基本のフォントは堅めですが、オリジナリティというか、手書き風のフォントで親近感を感じさせるような書き方になっています。
イラストや図表など
このように大事なポイントでは手書き風フォントで要点を解説しています。
シンプルなページ構成
フルカラーでイラストや図表も盛り込んでいてわかりやすいです。
この本の特徴は、1ページにギュウギュウと文字を詰め込みすぎず、パッと開いた時に情報量が多くなりすぎないように配慮されているところが良いところだと思います。
パッと開いた時に文字が多すぎると、それだけで「うっ・・」ってなってしまうことってありますよね?
ごはんを食べる時に多すぎる量のお皿が並んでいると、見ているだけでお腹がいっぱいになってあまり食べきれない、、そんな状態に近い感覚。
この本ではできる限りそのような感覚にならないように配慮されて書かれてるように感じますね。
フルカラーをこれでもか!と活用している
『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』では、本を開いた巻頭部分に写真での解説ページがあります。
フルカラーの魅力を惜しみなく活用して、わかりやすく解説したい感がひしひしと伝わってきますね。
この写真ページのボリュームは最初の20ページほどですが、ガチで写真解説を入れてるのはほかの宅建本を見比べてみてもこの本だけでした。
実際の写真を用いることによって、読者に極限までイメージしてもらいやすいように考えられていますね。
個人的な感想としては、文字間や行間は問題なく、フルカラーでイラストや図表も盛り込んでいてわかりやすいではあるのですが、どうしても『手書き風のフォント』で解説している部分が気になってしまいました。
親近感が湧いてくる狙いがあるのかもしれませんが、読み続けていくとちょっと目障りに感じる違和感があったので、そこが普通のフォントだったらなぁ、、という残念な感想です。
ただ、人によって好みは違いますし、「それが良い」って方もいると思うので、あくまで僕個人の感想として書いておきました。
きほんの宅建士合格テキスト2019年版
続いてご紹介するのはこちら、LEC書籍の
フォントや文字間、行間について
フォントは明朝体よりの堅めです。
文字間や行間はちょうど良いかんじ。ページの構成は1番お勧めの『どこでも学ぶ宅建士基本テキスト』と似ています。
フルカラーで見やすい・読みやすい
ペンギン先生のキャラが登場。
優しい色使いのフルカラーですっきりと読みやすい内容になっています。
1番お勧めで紹介した『どこでも学ぶ宅建士基本テキスト』と設定がかなり似ていますね。
異なるところはこの本はフルカラーで見やすいというところでしょうか。
イラストがかわいい
ペンギン先生もそうですが、この本のイラストはとにかくかわいい・・!
「小学生向けの絵本かな?」って思いそうになるぐらい子供向けに近いイラストが使われています笑
解説もしっかりしている
フルカラーの特性を活かした色使いで、項目ごとにカラフルに色分けされています。
大切な部分は赤色で強調されていたり、『前提知識』で足りない情報を補ってくれたりなど、いろんな配慮が施されていますね。
法律関係をイメージ図で覚えられる
ちょっと難易度が高めなややこしい法律用語や仕組みも、かわいいイラストを使ったイメージ図で覚えやすい。
分冊できたり付録がついてたり
あと本自体を3つに分冊できるので持ち運びに便利だったり、勉強の際に使える付箋やメモ用紙が付録としてついてきます。
きほんの宅建士合格テキスト本は使える?
ここまで紹介してきてアレなのですが、文字の読みやすさやイラスト、フルカラーの見やすさだったりと、基本的にはお勧めできる本ではありますが、
気になる点として、本の中で解説内容を端折ってる(はしょってる)ところがいくつか見受けられました。
ちょっと言葉のつなぎがおかしかったり、「ここはもう少し詳しく細かく説明を入れないとわかりにくいのでは?」という部分がちょこちょこあったんですよね、、
気にならない方は気にならないと思うのですが、初学者の目線で見た時に、
「んっ?これはどういうことだろう?」って引っ掛かりがあると、その分をネットやYoutubeで調べ直す時間が必要になってきます。
完全にそのような引っ掛かりをなくすことはできないとしても、僕個人としてはそれが多く感じたので、購入にブレーキがかかってしまいました。
まぁでも、そのあたりの感じ方は個人差がありますし、Amazonの評価も高めなので載せておきます。
紹介本もいよいよ中盤に差し掛かってきました。
これ以降は「惜しい」部類の紹介になりますが、できる限り個人の感想を書いていこうと思います↓
宅建士基本テキスト! らくらく宅建塾 2019年版
惜しかった宅建本。宅建学院の
フォント・文字間・行間など
フォントは明朝体に近いやや堅め。
文字間、行間は問題ないかんじですね。
解説はわかりやすい?
さすが宅建に特化した宅建学院だけあって、解説内容はとてもわかりやすいです。
ただ、項目ごとに設定している『例題』と『解答』の位置関係がよくわかりません…。
あと言い回しも「・・だ。」「・・する。」「・・なる。」など、なんか堅めです。
単色すぎて飽きる
文字が多めのページだと単色すぎて飽きてしまいます。
イラストや図表も単調すぎてメリハリがなく、数ページ読んだあたりで「なんかもういいや」という気分になってしまいました。
せっかく宅建に特化した強みがあるのに、肝心の『見せ方』の部分が弱くて購入には至らず、、というところでした。
ユーキャンの宅建士速習レッスン 2019年版
こちらは資格のユーキャンが出してるテキスト本。
どうしよう。
しっかり紹介したいのに、本気で紹介したい本を先に紹介してしまって「もういいかなぁ」状態になってしまいました… orz
上の方で紹介しているテキスト本が個人的にお勧めできる本なので、、
でも一応載せておきます。
スッキリわかる宅建士 2019年版
こちらはTACのテキスト本。
目次がページを開いて数十ページめくった場所にあって探しづらい、、
出る順 宅建士合格テキスト 2019年版
LECの宅建テキスト本。こちらは1冊が薄めで3冊に分かれています。
3冊に分けてるので1冊に書かれている情報量は多いのですが、その分費用もかかってしまいます。
3冊揃えたら9千円近くいっちゃうよ…。
『スッキリわかる宅建士』と『出る順宅建士合格テキスト』の2つは、色使いに薄い紫のような色を使ってて、長時間読んでいると目がチカチカしてしまう配色になっていたので選択候補には入りませんでした。
ただ、中身はこんなかんじでしたよ~ということをお伝えしておきたかったのと、「色使いはとくに気にしないよ~」という方もいるかもしれないので一応載せておきました。
宅建テキスト本選び方まとめ
かなり長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
この記事で8冊ほどテキスト本を紹介してきましたが、個人的には最初で紹介した日建学院の『どこでも学ぶ 宅建テキスト本』がやはり1番わかりやすく読みやすくてお勧めです。
僕はこの本と、もう一つ『わかって合格(うか)る宅建士基本テキスト』をサブ本としてポチりました。
サブ本の必要性は、ひとつの本だけでは見えないほかの解説や事例を読むことで、視野を広げて柔軟な理解力を身につけるためです。
よく、「本は1冊に絞ったほうが良い」と言ってる方がいますが、それは時間がない人だったり費用を最小限に抑えようとしている人だったりではないでしょうか?
確実に合格を目指すのなら、1冊に絞るよりもいくつかの本を手元におき、多面的に知識を取り入れるべきです。
情報は多くを取り入れ、その中から取捨選択してこそ活きるものですからね。
この記事が、これから宅建試験に向けて勉強する方のお役に立てますように。
テキスト本をひと通り読み終えたら過去問にもチャレンジ!